降り立つ
私には見えていた。
ずっと前から、多分、生まれる前から。
もしかしたら、動物と人間が話しをできていた頃から。
この地上に争いが、なかった頃から。
普段の雑多で、忙しない日々に浸水していると、その存在に気を向けることはないけれど、時に雷雨のように起こる不運や面倒な出来事によって、何となく感じることがある。
それは確かな記憶ではないけれど、DNA の奥の奥の螺旋のどこかに、存在しているハズだと思う。
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頭に沸き起こるインスピレーションを綴ってきて、ふと我に返る。それこそ、いま私が、その『螺旋の存在』に操られているかのようだ。
この物語を書くために、今までの壮絶と呼べないこともないだろう人生を送ることになったのかもしれないし、その人生を体験するためには、あの場所に生まれる必要があったのかもしれない。